沼袋から高円寺まで、地図で見ると歩いて歩けない距離ではないんですが、この雪では無謀かと思い、高田馬場までもどって、中央線へ。
高円寺へ行くのはひとえにさぬきやさんがあるからで、今回はとても大切なミーティングです。
牡蠣、いか、いくら、にこごり、チーズクリーム・・９層くらいになった、カクテル。
お酒は、熊本酵母の鍋島でオープニング。
わさびが合います！ フォアグラ茶碗蒸し。
28年ものバルサミコが、貝のおだし、フォアグラのいい関係を醸すそうです。
干たけのこ、ちぢみほうれん草の煮浸し。
お酒は、村祐。
新しい日本酒の流れをつくった象徴的な銘柄、かなり好きです。
上から、めじまぐろ・黄身のだし泡立て、キスと梅肉、タイラギと自家製からすみ、ハタとアン肝
お酒は、十四代の七重二十貫。
食欲のない私が、一皿ごとに別腹対応になっています。
さぬきやの魅力は、食べる気がない人も、つい口に入れたくなる魔力。
しめはやはり麺ですよね。
かぼちゃ麺と、全粒麺は、まずはそのまま味わいましょう。
せっかくなので、白子ソースもつけて。
これがまたうまい！！
あん肝どぶ汁煮込み。
濃厚の極み、感激の至り。
店主は嫌がるかもしれませんが、いちど、名古屋風の煮込みうどんでも食べてみたい気がしました。
営業時間は一応11時までなんですが、はいったのが10時半過ぎで、なんと麺の段階で12時を過ぎていたかもしれません。
当然お店は閉店状態なので、アシスタントのショウタ君が、鯛のアラ調理の練習にはいります。
私も門前の小僧状態で、見入っていると、
「熊谷さんって、ほんとに食べることが好きなんですね」
と私の数倍もオタクの店主から、あきれコメント。
ショウタ君は北海道出身なので、鯛のアラでスープカレーに挑戦です。
いい匂いを待ちながら、店主のご両親と談話します。ご高齢なのに、お二人ともお元気でにこやかで、
足腰の丈夫なお母様は、まさに看板娘。
そうこうしているうちに、スープカレーもできあがり、店主と並んでいただきます。
アジアにも「フィッシュヘッドカリー（魚の頭カレーと）がありますが、おそらく世界一繊細で、
濃厚で、かつ後味の爽やかなフィッシュヘッドカレーでしょう。
師匠のOKをもらった若いショウタ君にホテルまで見送ってもらい、疲れがふっとびました。
さぬきや名物、舞茸クリーム。
舞茸クリームをかぶってるのが、半熟うずら。
うずらを半熟にしようなんて、ここの店主ぐらいしか考えないと思います。
でも、舞茸の香りがここまで感じられるなんですごい！！
豚の味噌漬け、フォアグラを巻いたサラミ・・・一人でいただくのが申し訳ない。
そして、冷燻オンパレード。まずはさわら。
ローズマリーが隠し味らしく、ほのかな香りがちょっとおしゃれで、清冽でした。
イカげそは、コリコリの香ばしさ。
絶品サバ。サバ様様です。
やはり〆は、ビーフ。
米沢牛の一切れは、旨味と甘味の競演なり。
このお店に来たいがために、ホテルを高円寺にとりました。
十四代もレアな特別仕込みが並びます。
せっかくのお料理なので、少しだけ入れてもらいました。
まずは、岩手の牡蠣のカクテル。
今年の牡蠣は全体的に淡白なので、クリームチーズであえた蛸なども華を添えます。
煮こごりは、濃い味とあっさり味の2種が層になっていて、最後まで飽きさせません。
「トリュフの香りを邪魔しないのは、白子が一番だと確信しました！」
日夜、試行錯誤を繰り返す店主の結論は、良質なドラマのようで、刺激的です。
「トリュフの往復ビンタ」と名づけられた白子ちゃん。
Mタイプの人には、とくにたまらないかも（＾ ＾；
しかたないですが、十四代もすすみます。
おコメの系譜が裏面に。蔵元の道楽満載のお酒です。
お昼ごはんは、山内の人気店で。
こちらは、天然のきのこがたっぷりで、それだけでご馳走です。
まずは、サワモダシのおしたし、菊なめこ。
さっきのわらび餅で、おなか一杯ですが、すでに別腹モード。
サワモダシは、関西にはないので、何度聞いても覚えられないきのこの一つです。
ぜんまい、赤たけ、ハチクの煮物、玉子焼き。
いものこ汁、最高だべ。
がっこ＆なたづけ。
どちらもこの地では、ポピュラーな大根のお漬物ですが、
同じ植物とは思えない仕上がりの妙。
そして旬まっさかり、ぶりこ。
ぶりこ＝子持ちのハタハタ、甘味噌をつけて。
横手市山内地域局の山初さんと藤田さんが、慣れた手つきでわらび餅を作ってくださいます。
すで精製された、正真正銘横手産の本物のわらび粉100g、水380ccを鍋で溶かして、火にかけて練ります。
そばがきも、くずきりも、胡麻豆腐もそうですが、
練る作業は男性の力でないと間に合わないくらい、むずかしい。
こうして、究極のわらび餅ができあがります。
この濃い飴色、これこそがホンマモンのわらび餅の色。
決して白ではないんです！
このとろみ、ねばり、そして口どけ。
透明かつ、自然のわらびの色。あの皮の色にも通じる神々しいまでの褐色。
写真ではちゃんとお伝えできないのがくやしいです。
究極の本当のわらび餅。
これを食べてしまうと、これまでのわらび餅がなんだったのか。
それもそのはず、その他のでんぷんがほとんどなのですから、ちがって当然ですよね。
口にふくんだ人でないと、究極の魅力はわからないとは思いますが、いつか多くの人に味わってもらえるよう、私もすっごく協力していきたいと思っています！！
今回、横手に来ましたのは、わらび粉プロジェクトの一環で、すでに３年前から始動していたものです。
昔むかし、山内のばっぱ（おばあちゃん）たちは、食べるものがない時期に備えて、わらびの根からでんぷんを取り出していましたが、その作業がたいへんだったのと、わらびもちを食べる習慣もなかったために、今ではわらびの茎だけを山菜として食べています。
わらび餅といえば、本来わらびの根から取り出した粉から作るものでしたが、今ではほかのでんぷんで代用されていて、本物のわらび粉をわずかでもつかったものは、「本わらび餅」と表現されますが、当然のことながら１００％のわらび餅は商品化できないのが現状。
末端価格にしてキロ数万円もする貴重なわらび粉ですから、１００％わらび粉のわらび餅を食べられるなんて、期待に胸がふくらみます。
そんな夢のようなわらび餅を復刻できるかどうか、横手市では試行錯誤を続けておられていて、いよいよ本格的に動かしていこうという段階にはいりました。
こちらは、わらび畑。７月に、おじゃましたときとは、まったくちがう風景です。
夏、光合成をしっかりした葉っぱから、根っこに良質なでんぷんが蓄えられ、雪が降る前に掘り起こし作業は完了しています。今回は、わらび粉精製作業の一部始終をメディアさんお伝えするために、雪をどけて根っこをさがしました。
スコップで掘り返すと、いろんな根っこが埋まっていますが、直径12～15㎜ほどの黒い皮の根だけが、わらびなのです。まさに黒ダイヤならぬ、お宝のような黒根っこ。
新聞やテレビの記者さんたもたくさん来てくださり、雪をバックに不思議な光景でした。
３キロほどの採集、ここから採れる粉は、５～６％。
このあと、山の恵みに磨きをかけるたいへんな手作業が待っています。
狂言のお稽古の帰り、小腹がすいたという母と、初めてのお店にはいりました。
北山界隈は、けっこういいお店が並んでいて、とても迷いましたが、ぱっと見、一見さんお断り風、不思議な雰囲気のとびらをあけると、これが、当たり！
30年もやってるという老舗。
落ち着いた民芸調のカウンターにすわると、氷でパリパリのお野菜とニンニク味噌がでてきました。
はつ、ずり、かわ、れば・・・とたのみます。
七味家さんの、山椒と七味もたっぷりかけたいおいしさ。
伏見の冷やの原酒が、また合うんですよね。
チーズ巻き、牛タン・・と肉系もよかでしたが、
季節柄、牡蠣、帆立は、感動的、さすがの備長炭！
とくに牡蠣は、一瞬何のお肉？ というぐらい、肉感豊かな食感で、炭の香ばしさが牡蠣の旨味を変化させてるようでした。
スープは、コラーゲンたっぷりの濃厚あっさりタイプ、串のあいだにはさむと、とっても合います。
焼いてくださる2代目はかなりのイケメンで、母が話しかけるたびに、焼き台から前にでてきてくれて、相手をしてくれました。
デザートに、アイスとコーヒーゼリーとたのむと、マスクメロンと完熟パイナップルもつけてもらって、
かなりゴキゲンな小腹満たし？となりました。
浪花の食材を扱う和食の新鋭、森田くんのお店で熊五郎グループの忘年会がありました。
ワインにかえて、後半戦にはいります。
鴨と浪花野菜のサラダ、鴨の火の入れ具合がよかです。
このへんも森田らしいですが、ちょっと濃すぎ・・かな。
私たちの食べるスピードが速かったらしく、予定外にはさんでくれたレンコンの天ぷらは蛇足でしたが、
あとはまずは合格点で。
１８０ｍｌ ４０００円の銀河鉄道。これははやっぴが大好きなお酒。
愛媛県内子の知る人ぞ知る微発泡の凍結酒。
しめのアワビ。この写真からもわかるように、まだまだ食材に振り回されてる印象がありますが、
さすがの腕前でした。
森田、素晴らしい生産者の方たちの期待を背負って、自信を持ってがんばってくださいね。
茂山千三郎先生おすすめの焼肉店、北山。
まさに京都の北山にあります。
バラ、ハラミ、かいのみ、レバー、そしてタン下。
今回は、かいのみとタン下がとくに、よかったです！
さらに、テール蒸し。
こんなメニューがあるのは、やはり北山ならでは。
各種お塩で、もっちりコラーゲンを楽しみます。
テツねぎは、てっちゃんとねぎの辛みそ炒め。
キムチをたのむのを忘れてしまいました。
ナムルも上品で、チヂミはお値段が安くてびっくり。
しめに、ご飯にとろろをかけて、満足度の高い焼肉ランチとなりました。
もちろん、このあと狂言のお稽古は、袴のつけ方も習って、バッチリがんばりました。
