炭火で焼く魚の匂いが、何メートルも手前から。
お店のまえは、煙っています。明治20年代からずっと続く焼き方、焼き台もそのままだそうです。
炭と脂でコテコテに燻された焼き台。これだけで文化財のような。
岸辺一徳さんそっくりの西谷勝彦さんが、40分から1時間かけて。これだけで値打ちもんですよ。
裏刺しという、竹串の刺し方も独特で、塩は一切なし、生をそのまま炭にかけます。
最初は表面の皮をしっかり焼いて、パリパリにし、そのあと、少しずつ上の段にたてて、脂を落としながら、
移動させていきます。
塩をして焼くものと思い込んでいたので驚き。
焼きたてを食べさせてもらおうと期待していたら、焼きたてよりも、焼いたものをさらにたてて、
余計な脂を落としていくそうです。
こうして2時間ぐらいして出直し、ありつけました。
これまで焼き鯖もいろいろ食べてますが、こんなにジューシーでしかも身が弾力を保った柔らかさは初めて!
送ってももらえますが、店頭で食べる焼き鯖は格別。ほかのお魚もうまそうで、この近所に住みたい!
刺し技、焼き技、代々継承された食文化遺産、大切にしてほしいものです。