銭湯研究家として活動した時期もありましたが、ここ数年、お風呂屋さんにはご縁がなく、地方でちょこっとおじゃまする程度でした。
ところがこのたびスーパー銭湯の十割そばにはまってるという人に、連れてってもらう機会を得ました。
枚方の極楽湯では、まさに石臼挽きの蕎麦100%を練っているではありませんか。
それを作るのは、蕎麦作りに燃える職人さん、かと思いきや、高校生みたいな若者なのです。
実はこのお蕎麦、東北大学で教授をされてた石渡先生が、もっと手軽にお安く蕎麦を食べてもらいたいと開発を重ね、大学もやめて、会社を立ち上げ、営業と拡販にまい進されてるという、その十割そばなのです。
その思いはバイト君にきちんと受け継がれ、彼がこねた蕎麦の塊を押し出し器にそっと入れると、煮えたぎる釜の中に、蕎麦が押し出されていきます。その切り方、手つきも堂に入ったもので、ココは銭湯?と、一瞬周りを確認してしまうのです。
打ちたてというには、やや語弊があるものの、ほぼ3たてのお蕎麦は、赤い大きなタカツキに盛られて登場。普通のもり、3枚分はありそうな豪快な麺の量に、食べざかりの人も嬉しい限りですね。
当然ながら、蕎麦の香り、味のする普通においしい十割そば。これは画期的なアイデアだと思いました。
とても人気のスーパー銭湯ですが、8割の人がこのお蕎麦を注文していて、もしかして、ここの売り上げの多くの部分を担ってるのが明らかです。