長い間、おじゃましたいと願っていた京都の奥座敷、美山町のゆるりさんへ。
こちらは、梅棹マヤオさんの工房もある茅葺の素晴らしいお宅です。
玄関には、お父様のポスターもあり、まさに生きた民族学博物館。
梅棹忠夫先生は、千里に国立民族学博物館を創設された日本が誇る偉大な研究者ですが、昨年お亡くなりになりました。
先日も先生のお仕事をふりかえるNHK特集があり、20年以上もまえに御著書で、昨今の行き過ぎた文明についてさまざまな見解から、現代を予言されていたのです。
マヤオさんは陶芸家ですが、梅棹先生の自由な気風をそのまま受け継いで人生を楽しんでおられる方で、
以前小松左京さんの会で、「蕎麦もコナモンやから、食べにきてね^^」とお声をかけてくださったのが、やっと叶ったわけです。
去年は小松先生も他界され、こうして関西の錚々たる文化人の先生方がおられなくなるのは、とても不安になります。
大きな玄関からはいると、そこは別世界。まだ雪が残りますが、光は春。
大きな囲炉裏で、アマゴが出迎えてくれる、なんて素敵な光景でしょう。
まずは、生麩の田楽、鹿肉のマリネ、赤カブと菜の花の文旦あえ。
厚揚げも囲炉裏で焼かれると、まるで揚げだしみたいに皮がパリッとして、たまりません。
あまごは串ごとかぶりつきます。1時間もかけてじっくり焼かれているので、骨まですっかりいただきます。
徳利もマヤオさん作。重さがありますが、手のひらになじむのが快くて。
いまは、マヤオさんの息子、レオさんのお嫁さんのユリさんが腕をふるっておられますが、
フレンチで修業中のレオさんが4月にもどってこられるので、里山のレストランとして、ゆるりはいよいよ本格的になっていくのでしょう。
いくらでもはいります。
これで終わりかな・・と思っていたら、十六穀米と白菜のお味噌汁、浅漬けが。
そうです、ゆるりでは、マヤオさんの蕎麦がメインディッシュなんですよね!
美山町のブルーベリーアイスと、桜ゼリーにいちごのコンフィチュール。
バランスのいい甘さ、そして春の香りのハーモニー。
コーヒーは、フィンランドのアラビア社、ウラプロコペデザイン、アネモネシリーズのカップに。
何から何まで大好きな世界で、一緒にでかけた両親や妹に説明するのがたいへんです。
ストーブは、ノルウェー製。
マヤオさんが大きな薪をくべにきてくださいました。
カゴの展示?もたまりません。
こちらに住まわれて30年、レオさんが生まれ、レオさんの赤ちゃんもこちらで生まれ、
4世代が楽しく暮らす素晴らしいマヤオさんの生活美学は、憧れであり、感動であり、感謝でした。
海外のアーティストによるコンサートも企画されているので、機会があれば、みなさんにもぜひ立ち寄ってもらいたいです。
運転できない私は、自転車でがんばって出かけるしかないですね(^ ^;
そうそう、梅棹忠夫先生は、生まれて一度だけ、たこ焼を召し上がったことがあるのですが、
それは、私が石毛研究室オープンのパーティで焼かせてもらったものなんですよ。(エッヘン!)