このヴィジュアル、今年のラーメン体験をしめくくるにふさわしい圧巻の図。
これをめくると、麺はもちろん、煮たまご、にんにくの芽、絹ごし豆腐に至るかぎりないミスマッチ。
チャーシューをあぶるとき、フライパンににんにくの芽を入れて、ぴったり焦げ付かないようにしている工夫、
ニンニクの食感、香りがとろとろチャーシューの相棒としてめっちゃええねん!
あきさせない仕掛けが、見た目、味、香り、食感とめくるめくわけで、
途中奥様が、「薬でございます」とそっと手渡されると、ドキッとして、七味でよかった~とほっとするのでありました。
福島の「三く」さん、こだわりすぎの店主は、まるで趣味の工房を開放しているかのような、実験的メニューに次々に挑戦しているので、さぞかし奥様はご苦労されていることでしょう。
でもこんなおいしいものばっかり毎日食べられるんですから、うらやましい限り!
全粒つけ麺は、小麦の甘皮を煎ってあらびきしたものがまぶされていて、香ばしさの極みでございます。
底には、レンコンのしたに梅肉がしのばせてあり、浮き上がってこないよう、つまり最後のほうで味の変化を演出するための仕掛けとなっているわけですね。
きりりとひきしまったスイーツな世界まで、凌駕している欲張りな店主。
私が調子に乗っていただくのを見て、まかないの「ラどん」まで登場。
ラーメンの麺にうどんのおだし、きつねの代わりのチャーシュー。
ラーメンなん? うどんなん? どっちやねん?
不思議なカルチャーショックのなかで、店主のトークも冴えわたり、楽しい試食時間が過ぎていきました。
三くにちなんだ、お酒まで登場。これと同じ蔵元のものを高円寺さぬきやさんでも何度かいただいてますが、
このラベルはお初です。
居酒屋なのか、御茶屋なのか、料理屋なのか、カウンター割烹なのか、
何屋さん?とたずねると、「ラーメン屋でございます」と、どや顔をみせる店主なのでした。