今回、横手に来ましたのは、わらび粉プロジェクトの一環で、すでに3年前から始動していたものです。
昔むかし、山内のばっぱ(おばあちゃん)たちは、食べるものがない時期に備えて、わらびの根からでんぷんを取り出していましたが、その作業がたいへんだったのと、わらびもちを食べる習慣もなかったために、今ではわらびの茎だけを山菜として食べています。
わらび餅といえば、本来わらびの根から取り出した粉から作るものでしたが、今ではほかのでんぷんで代用されていて、本物のわらび粉をわずかでもつかったものは、「本わらび餅」と表現されますが、当然のことながら100%のわらび餅は商品化できないのが現状。
末端価格にしてキロ数万円もする貴重なわらび粉ですから、100%わらび粉のわらび餅を食べられるなんて、期待に胸がふくらみます。
そんな夢のようなわらび餅を復刻できるかどうか、横手市では試行錯誤を続けておられていて、いよいよ本格的に動かしていこうという段階にはいりました。
こちらは、わらび畑。7月に、おじゃましたときとは、まったくちがう風景です。
夏、光合成をしっかりした葉っぱから、根っこに良質なでんぷんが蓄えられ、雪が降る前に掘り起こし作業は完了しています。今回は、わらび粉精製作業の一部始終をメディアさんお伝えするために、雪をどけて根っこをさがしました。
スコップで掘り返すと、いろんな根っこが埋まっていますが、直径12~15㎜ほどの黒い皮の根だけが、わらびなのです。まさに黒ダイヤならぬ、お宝のような黒根っこ。
新聞やテレビの記者さんたもたくさん来てくださり、雪をバックに不思議な光景でした。
3キロほどの採集、ここから採れる粉は、5~6%。
このあと、山の恵みに磨きをかけるたいへんな手作業が待っています。