大阪のイタリアンは東京よりも上や! と断言する人も多い中、それをリードするお一人、上村和世、ジョバノットカズヨのお店は、オープンしてまだ2年あまりというのに、なんだか重鎮の域を呈しているのはなぜだろう。
それはこだわりの店構えとリラックスできる店内のバランス感覚のある雰囲気もさることながら、上村さんの一見ジョバノットらしからぬおっとり感もその錯覚のひとつではあるけれど、なんといっても料理と食材の見事な出し方が、大阪イタリアンの重鎮たるべく堂々としたものだからにちがいない。
今回は王子さんの奥様えっちゃんの「生まれて半世紀」の記念すべきお誕生会をここでさせてもらったのだが、3時間ほどがあっというまにすぎてしまい、お料理の質も量も私の胃袋を熟知されてるかのように、バランスがとれていた。
1、ピッツェリーナ・・・さすが粉もんからのイントロデュース。1インチほどのピッツァだが、味は確実
2、新じゃがの冷製スープ・・・揚げたジャガイモ&チーズのトッピングがたまりません
3、ホッキ貝のエスカルゴバター仕立て・・・ホッキ貝の甘みと食感、かわいいピンク色がたまりません
4、豊後水道一本釣り、富士見関あじのおさしみ風マリネ・・・きざんだ薬味がたまりません
5、土佐次郎地鶏・・・表面をあぶっただけのシンプルイズベスト
6、まながつお・・・トマトソースに、いろんな香草がしくんであって、大好き
7、ふぐの白子・・・何フグが忘れてしまいましたが、白子はいつも最高です
8、新トリュフと、新種の細アスパラの超手打ち細麺、ピエモンテ流・・・トリュフの食感と味わいがちゃんと生かされて、初夏のパスタです。
9、お肉4種・・・ガラスの器に焼いたお肉という、どきっとするお皿。かため、ソフト、むっちり・・と食感が絶妙です
10、パンナコッタ、ティラミス、アーモンドの焼き菓子、グラース2種・・・デザートはひかえめでしたが、本場以上においしいのは確実です
上村さんは、ミートソースのために、海の食材のために・・とイタリア各地の星の多いレストランを回られて、しかもただそこで従順に仕事するだけでなく、自分の意思表示もはっきりと、シェフたちに上村を印象付けておられたというのですから、たいした方です。
そのときついたあだなが「ジョバノット」、若くて、元気で、やんちゃな奴って意味合いだそうです。
「産地の風景を感じてもらいたいから、できるだけシンプルにお出ししたい」と上村さん。王子さんのたけのこ、みかん、はちみつをお教えしたら、とても興味津々で、実は来年のたけのこパーティの日にもお誘いし、日も決定となりました。
熊五郎の社長は、今年2ヶ月間、王子筍パーティを楽しみにわくわくされてたんですが、来年の4月に向けて、きっと今からわくわくされるのか・・と思うと、嬉しいやら、おかしいやら・・ですよね。
本当に楽しい実り多いひととき、ごちそうさまでした。