うちの愚息が幼いころ、大蔵流狂言の茂山千三郎さんにお稽古をつけてもらっていました。
当時うちの母も一緒に舞台に何度か出させてもらっていた関係で、去年から、母がお稽古を再開し、「萩大名」という演目で、私もお稽古することになってしまいました。
南信州、昼神温泉「石苔亭いしだ」には、玄関をはいった正面に立派な能舞台があり、ここのご主人も千三郎さんのお弟子さんというご縁で、私の初めてのお稽古が、なぜかここから始まることになったのです。
季節柄お雛さんが、二千体も飾ってある舞台でも先生の演目があり、夕食後楽しむことができました。
お目にかかってから15年、先生の狂言も話芸にも一層磨きがかかっています。
萩大名のお稽古では、「ハァ~ッ」というところを、先生が扇をもって、節をつけてくださったので、私もつい手を動かしてしまいました。
「手はよろしい」といわれ、一同大爆笑。翌日もお稽古してもらったのですが、そこでも「太郎冠者殿、願いまする」というのを「太郎冠者殿、願いまするでござる」と「ござる」を余分につけてしまい、ここでも笑いをとってしまいました。本番が心配です。