浪速が誇るというよりも、日本を代表する胡麻司、和田萬さんのごまやんコラムを書かせてもらってはや2年はたっているでしょう。
オーナーの和田さんに、曽我さんといっしょに、豊中桜会さんという、新進気鋭のヌーベル割烹に連れていってもらいました。
ホームページを見る限りはそれほど期待してなかった。。というのが本音ですが、こだわりぬいた主人の満田健児さんの豆というより胡麻みたいなこまめさと、気張りの落ちつつあるこだわりが、すばらしく結実した流れになっていました。
うぐいす菜が飾られらた蛤のしんじょは、白きくらげが春らしく、フォアグラをくるんだ平目はポン酢ムースでいただきます。真空で昆布じめしたかますが、ミモレットと合わさっているのも斬新でした。塩焼きのイベリコ豚をライムでいただくと、脂のとこが香ばしくて。もっちりがたまらない牡蠣ごはん、デザートの苺のシャンパンソルベにいたるまで、豊かに楽しませてもらいました。
桜の季節だけあって、随所に桜が登場しますが、とくに素敵だったのは、夜桜のお椀と、棗のふたの裏に描かれていた桜でした。
でも一番の肝心なことは、いずれも各地の銘酒が脇をかためていることです。和田さんもいっしょに酒蔵めぐりをされてるそうで、秋田県横手市のお酒にはじまり、岩手の酔右衛門、しぼりたてのかちこま、澤姫、白岳仙の中取り、桜吹雪・・・・・お料理ごとの変幻自在。
しかも驚いたのは、加水の技。日本酒にお店で加水するというのは、古い人からみれば、邪道としかいいようがないのでしょうが、桜会では、緻密な、お料理をひきたてるための加水が、きらめいています。私にように強くないものでも、酔いすぎないで味わえる、究極の日本酒の楽しませ方かもしれません。
ボディのしっかりした本格的なお酒だからこそできる加水、贅沢な策略に、主人のこまめの境地を痛感しました。
和田さん、ご馳走さまでした。