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ちょうど1年前、NHKきってのダジャレ王、後藤アナの本が出版されました。
昭和32年11月14日に誕生した、料理番組の老舗、「きょうの料理」は、当時、教育的ではあっても、見ていて楽しくないのが気になっていたのですが、後藤さんのダジャレが炸裂するようになってからというもの、普通の主婦以外の人たち、料理なんかしないような世代や子供たちにまで、ファンが広がったのです。
お料理は技術のまえに、やはり楽しくなくっちゃ、それが鉄則ですよね。
そのことを後藤さんはわかっていらっしゃるのか、天性の勘で語っておられるのか、そのへんはよくわからないのですが、関西風にええ感じの調味料をパパッとふりかけてくださるわけですね。
時には、砂糖多すぎ~!ということもありますが、そのへんも後藤アナのキャラで、ええ塩梅になっているわけです。
後藤アナのファンになった私は、NHKで後藤さんにお目にかかる機会を得て、その後素敵なフレンチに誘っていただいたり、不思議なインド料理をご一緒したり、仲良くさせてもらっています。
コナモン協会をいつも「こんなもん協会」といってくださるのが、なぜか快感なのです。
先日も総合地球環境学研究所の内山純蔵さんのもとへ、縄文時代のコナモンについて教えていただきにおじゃましたところですが、そこでご紹介いただいた1冊。
今は亡き佐原先生監修の立派なご本だが、透かし彫りの耳飾りや玉類や土偶の文様など、美しさにみとれてしまいます。
直径16センチから、大きいものでは45センチくらいの石皿と磨石もたくさん登場します。これでドングリを細かくしていたのでしょうね。石皿の窪み具合が滑らかでいいですね。
縄の紋だけでなく、貝殻、魚の骨、オオバコの茎・・・さまざまな身の回りの素材を生かした文様は、現代でももったいないくらいの、ビューティフルな工芸です。
E・S・モースが名づけたという縄文時代。もどれるなら、この時代に生きてみたいものですよね。
石毛直道編
ドメス出版
昭和48年第一刷発行
私の食研究の最初は、やはり恩師石毛直道先生の本が入り口でした。
今では、恩師といいたい放題にさせてもらっていますが、当時は雲の上の大先生で、お会いできる人とも思っていませんでした。
先生がたくさん出された著書のなかで、当時一番活用させてもらったのが、この本です。
中尾佐助先生、梅棹忠夫先生、篠田統先生・・・京大の人文研の廊下ですれちがうことはできても、なかなかお話できない先生方が、食事文化研究について議論されていますが、一般社会では、食について語るなどほとんどないとき、特異なテーマ設定だったのかもしれません。
食事文化という言い方も、食文化という表現以前の言葉として、懐かしくさえあります。
巻末の世界の主作物とその食べ方の分布図など今でも貴重です。広い地球のことは、まだまだ未知の部分が多く、ましてや何をどうやって食べているか、なんのために、どういう意向で食べているのか、そんな食を文化としてとらえる視点。先生方の研究のおかげで、現在の食をみつめることの重要性につながっているのです。